補聴器の分野のディスラプターとみられるEARGO(以下EAR)の紹介です。
どんな会社か
2020年の10月にIPOした会社。
補聴器を作っている会社です。
2010年に創業。
2人の耳鼻科医師とテックマニアにより創業。
現在のCEOは2016年から現職のChristian gormesという人で、創業者からプロ経営者に引き継がれた形かと思います。
補聴器は耳の外に付けるもの、耳の内側に付けるものがあります。
耳の外に付けるものは、見た目が気になります。
耳の中に付けるものは、音が通りにくくなります。
同社のプロダクトはイヤホンのように耳の中に入れ、ほぼ見えなくし、
特徴的なデザインにより音を通りやすくしているようです。

面白い点
開発思想が消費者目線で、伝統的医療機器にない
製品を見れば、一目で違いがわかる一方で、単純な疑問として、今の時代当たり前じゃないか?とも思います。
確かに消費者に受け入れられやすいようなデザインで製品を設計するのは、スマホや家電など消費者向け事業では当たり前ですが、医療機器ではなかなかこのような発想はありませんでした。
というのもまず、医療機器の買い手は消費者ではなく、医者などであること、また、治療に効果があるなどの機能面が当然重要で、デザインなどは二番目以降に重要な要素だからです。
このように消費者目線やユーザー目線を取り入れた設計により高い成長を達成している企業が米国の西海岸中心に増えています。
DTCのモデル
この会社は保険適応の路線ではなく、消費者に直接販売するというモデルを選んでいます。
これにより、中間マージンをカットできることに加え、製品購入の意思決定が消費者になり、消費者目線の製品設計という強みが生きてきます。
医療機器のカテゴリーとして例外的に医師を通さない販売が認められていますが、FDAから医療機器として認可されていることも差別化要素です。
また医者の診察がいらないものの、遠隔外来的にスペシャリストからのサポートを受けられるような体制を取っています。
IOT
補聴器ながら、テクノロジーの親和性があるのでそこも面白いです。
スマホのアプリで聞こえ具合をリアルタイムで調整できるようです。
リスク
医療機器として、他の補聴器メーカーの製品と同等の性能があり、FDAに認可されているという事実から、参入障壁はありそうです。
一方で、治験も必要ないし、他の会社も作れるのではと感じる部分があります。
そこらへんの疑問が個人的にはまだ解消されていません。
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