今回は合成生物学で話題になっているアミリスについてです。
いつもは、分析の記事を書くのですが、今回は、足元株価が上がっている理由について書いていきます。
以下、株価チャートです。2020/12月あたりから足元の2021/1/24にかけて、株価が急上昇しています。

2020/12あたりから株価が上がっている理由
2020/12/16に行われた投資家向け説明会がカタリストになっている可能性が高いです。
この説明会では、保有商業化合物(同社は計11の化合物を商業化していました)のマネタイズにより、450Mドルの収入を獲得することができると発表されました。
3つのディールから構成されており、1つ目はfarnesene という化合物を元に、一つの化合物を作る権利を50Mでマネタイズ。
残り2つの詳細は不明ですが、2021年度第1四半期中にクローズし、詳細が見えてくるようです。
なお3つ、計450Mドルのディールはアップフロント部分と後払い部分から構成されていますが、うち200Mドルがアップフロントとして2021年度上半期にもらえるとしています。
もともと2020/11月の決算説明会で、3つのディールに着手していると発表していましたが、その時は350Mのディールと発表していました。
350Mから450Mに増えたことにもサプライズがあったと言えそうです。
どうして投資家センチメントが改善したのか?
以下の二つの理由が考えられます。
- バランスシートの改善
- Vitamin Eを超えるディール

順に見ていきます
バランスシートの改善
同社は、営業キャッシュ段階からの赤字企業で、バランスシートに対する懸念があったと見られます。
というのも同社は足元債務超過に陥っているからです。
特に2021年度に期限を迎える債券60Mをどうやって乗り切るかを注視していた投資家が存在したと考えられます。
今回の発表で、目先はおろか、健全化に資する大きな資金を獲得できたことで安心感が広がったようです。
Vitamin Eを超えるディール
もう一つ同社に対するベアな見方としては、DSMとのVitamin Eのディールのような成功はもう見込めないだろうというものもあったと考えられます。
同社は今回のようなマネタイズとして、2019年にDSMにVitamin Eの権利を売りました。
ディールサイズは150Mと大きかったものの、このような魅力的な化合物は手元にないだろうという見方が一部あったと思われます。
今回のディールは3つで450Mと、Vitamin Eクラスが3つと考えることができ、まだまだ有望な化合物を手元に抱えていたということでポジティブでしょう。
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