Inari medical (NARI)株をわかりやすく分析【イナリメディカル】

血管領域ディスラプター、静脈関連の血栓治療を手掛けるInari medical(NARI)の分析です。

目次

どんな会社か

静脈の血栓をカテーテル経由で、体へのダメージを抑えつつ除去する機器を作っている会社です。

静脈の血栓が問題になるのは、大腿骨あたりと、肺

同社はこの二つの領域でデバイスを作り、FDAに認可されています。

ポイントはこの領域に他社を先駆けてフォーカスしたところ。

血管には動脈、静脈があります。

動脈の分野の血栓除去デバイスは数多くあります。

一方で、静脈の血栓除去専用のデバイスはありませんでした。

動脈の血栓除去用のデバイスが転用され、静脈にも使用されていました。

一方で、動脈と静脈は太さも違うし、形も違う、内圧や血栓の形も異なります。

静脈は太く、血圧が低いので比較的硬い血栓がこびりついています。

そこで、この会社は静脈専門のデバイスを作ることで需要が見込めるのではと考えたようです。

なぜ、これまで動脈用のデバイスしか開発されてこなかったのかはわかりません。

動脈の血栓は心筋梗塞などにつながるため、動脈向けの方が大きな市場であることが原因なのでしょうか。

製品

大腿骨あたりの静脈血栓を除去するデバイスであるClot trieverと、肺静脈血栓を除去するためのFlow trieverの二つのデバイスがあります。

それぞれ価格は6000ドル、1万ドル程度。

血栓を除去する方法ですが、二通りのやり方が備わっています。

まず吸引、吸引がうまくいかなければ、網のようなコイルを開き、血栓を絡めとります。

マネジメント

同社の創業者は、Brian coxという方です。

2012年創業で、2020年にIPO。

同氏はInceptusというMedical device関連インキュベーターの創業者でもあります。

インキュベーターはベンチャー企業の育成に関わる会社です。

Inceptusのプロジェクトの第一号として上場したのが、Inari medicalのようです。

現在のCEOはBill hoffmanという方で、2015年からCEOを務めています。

同氏はメドトロニックに買収されたMRIガイドレーザー治療の会社である、VisualaseのCEOなどを務めたこの業界のベテラン。

競合

薬物治療

薬物治療は、ウァルファリンやヘパリンなどの薬で治療します。

薬物治療の問題は、副作用であり、10%程度の場合、体内で出血するリスクがあるそうです。

そのため、薬物治療の場合、ICU(緊急治療室)での施術が必要

同社のデバイスが有効性を示せば、患者にとっても、病院にとってもメリットが大きい。

病院にとっては、同じ収入でICU使用によるコストがなくなれば利益が大きくなります

そのため、病院側も、少なくとも同じような施術効果であるならば、こちらを選択する意味がありそうです。

物理的吸引

血栓を吸い込むタイプのデバイスが競合です。

競合の多くは動脈に特化したもので、静脈に特化した同社のデバイスに分がある、というのが同社の説明です。

ちょっとショッキングな画像なので、載せませんが、動脈と静脈では血栓の大きさが全然違います。

静脈の血栓の方が圧倒的に大きいです。

市場規模

会社は米国で、36億ドル程度の市場規模があると見込んでいます。2020年度の売上は1億ドル程度になりそうです。

リスク

リスクとして市場が懸念しているのは、競争激化だとおもいます。

同じく新興企業で勢いがあるPenumbula(PEN)などが、静脈向けでデバイスを出すことも想定されます。

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